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    ITV_2017年5月号表紙

    月刊ITV 2017年5月号

    発行:平成29年5月1日 発行所:(株)日新(HP) 執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之 表紙・レイアウト:望月満 記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄

    日野自動車、新大型車&新中型車同時発表。安全装備で業界をリード

    西襄二(ニシジョウジ)

    1959年より37年間,トラック販社,メーカーにおいて品質保証,商品企画・開発,提案型営業支援システム開発,外部物流システム改善支援,等に従事。1997年,物流問題研究所設立。産業界の物流動向研究を通じ,事例・提言等を定期発表。また,各方面で講演を行う等,幅広く活動中。

    4月5日、日野自動車は新大型プロフィア、及び新中型レンジャー両車を同時発表した。プロフィア車では、平成27年新燃費基準+10%に適合させたダウンサイジング新9Lエンジンを採用。エアサスの設計変更などを併せてシャシ全体で300kg余の軽量化を実現。安全装備も一層の充実を図った。新中型レンジャー車でも新5Lエンジンや安全装備を拡充して商品力を高めた。プロフィアは5月22日から発売する。レンジャーは発表した4月5日に即日発売した。

    発表会はさいたまスーパーアリーナの広いフロアを借り切ってプロフィアとレンジャーが同時に行われた。午前の報道関係向けの発表の後、午後には全国の販社から営業担当者が集まって総決起大会も開催された...ザ・トラック

    発表会はさいたまスーパーアリーナの広いフロアを借り切ってプロフィアとレンジャーが同時に行われた。午前の報道関係向けの発表の後、午後には全国の販社から営業担当者が集まって総決起大会も開催された

    キャブバリエーションは正面から見て3種...ザ・トラック

    キャブバリエーションは正面から見て3種

    横から見て車軸配列に従って5種ある...ザ・トラック

    横から見て車軸配列に従って5種ある

    外観デザインを一新

    正面からみたデザインでは、グリルを上下に拡大。従来は3本構成のグリルをより太い4本構成(車載車架装用のローキャブでは3本)とし、左右両側の切れ上がり線をやや上開きとして力強い印象を高めた。キャブの骨格及びドア回りは従来のものを活用しつつ、グリル上部ドアを兼ねたフロントのコーナー部材をドアの見切りまで回り込ませて延長し斬新感を強調した。これらにより一層力強さが印象的なデザインとなった。整備性を高める効果もある。 一方、スイッチ〝オン〟で常時点灯するデイライトを採用した。ヘッドライトの下辺から側辺へ立ち上げて昼間でも対向車や歩行者からの視認性を高めた。国内トラックでは初の装備だ。キャブは、正面から見て〝ハイキャブ・ハイルーフ〟〝ハイキャブ・標準ルーフ〟〝ローキャブ〟の3通りがあり、横から見ると〝ローキャブ1軸〟〝ハイキャブ1軸ベッド付き〟〝ハイキャブ2軸ショートキャブ〟〝ハイキャブ1軸ショートキャブ〟〝ハイキャブ1軸ハイルーフ・エアスポイラー付き〟の5バリエーションがある。 なお、全てのドアに車幅灯を新設して実用性と斬新さを高めた。

    販売構成が伸びている4軸低床FW型車...ザ・トラック

    販売構成が伸びている4軸低床FW型車

    空力特性改善のパーツはオプションが多い。完成バン型車の後端部の処理は普及が拡大している...ザ・トラック

    空力特性改善のパーツはオプションが多い。完成バン型車の後端部の処理は普及が拡大している

    ヘッドライトにL(右側)/逆L(左側)型のデイライトを新設。昼間も対インテリアはメーター類の大型化、センタークラスターの操作面をドライバーにより近づけ操作性を向上した。写真の仕上げは上級グレード車の場合向車や歩行者からの視認性を高める。大型トラックで国内初...ザ・トラック

    ヘッドライトにL(右側)/逆L(左側)型のデイライトを新設。昼間も対インテリアはメーター類の大型化、センタークラスターの操作面をドライバーにより近づけ操作性を向上した。写真の仕上げは上級グレード車の場合向車や歩行者からの視認性を高める。大型トラックで国内初

    グリルドアの開口幅が拡がり整備性も向上...ザ・トラック

    グリルドアの開口幅が拡がり整備性も向上

    扱いやすさを向上軽量化にも配慮

    ヘッドライト下部のバンパーには中央部上面2か所に加えて掘り込みの外側ステップを設け、フロントガラスの清拭に際し女性など小柄なドライバーでも手が届きやすい配慮を造り込んだ。バンパーは樹脂化し、かつ背後のスチール部材でバンパー強度機能は確保されている。樹脂化はフロントグリル回りで広く採用され軽量化に一役買っている。

    インテリアは洗練度に磨き

    キャブ内部では、ドライバーに対する人間工学的な配慮を一層高めたデザインが随所に採用された。操作性、居住性、見た目のデザイン性など、体格の大きく異なるドライバーの誰でもが満足できる充足感に拘った。具体的には、シートのデザインと上下・前後の調整代を拡大した。隠れた配慮だが、乗降時に頼りになるアシストハンドレールの形状は連続性に違和感の無い形状に改良された。 従来のセンタークラスタ部分をよりドライバーに近づけ手が届きやすい配置とした。そしてここに駐車ブレーキノブまで組み込んだ(全車標準)。 また日野のAMT(自動化機械式変速機)である〝プロシフトProShift〟搭載車では、ダイヤル式のギヤセレクターのつまみをここに配置した。わが国初のデザインだ。 変速モード切り替えやマニュアル変速操作用のスイッチはステアリングホィール上に設け、近年の多くの乗用車同様に操作性を高めた。 これらの変更に伴い、ドライバーの左側上面はフラットな広い空間となりキャビン内のベッドスペースなどへの移動がよりスムースに楽に行えるようになった。因みにプロシフト搭載車の出荷割合は70%を上回っているという。なお、MT搭載車では従来に準じた位置にシフトノブを配置している。 シートも一新され、乗り心地と快適な姿勢の維持に一層磨きをかけた。小柄な女性にも最適なシートポジションが得られるよう、上下・前後の調整代、シート前端部の形状等に木目細かい設計上の気配りを行った。

    インテリアはメーター類の大型化、センタークラスターの操作面をドライバーにより近づけ操作性を向上した。写真の仕上げは上級グレード車の場合...ザ・トラック

    インテリアはメーター類の大型化、センタークラスターの操作面をドライバーにより近づけ操作性を向上した。写真の仕上げは上級グレード車の場合

    プロシフトPro Shiftのセレクタは、センタークラスター上にダイアル式となって移動した...ザ・トラック

    プロシフトPro Shiftのセレクタは、センタークラスター上にダイアル式となって移動した

    円形メーター(左:速度計、右:回転計)の中央に7インチに拡大された液晶モニターが設置されている。各種情報がここに映し出される...ザ・トラック

    円形メーター(左:速度計、右:回転計)の中央に7インチに拡大された液晶モニターが設置されている。各種情報がここに映し出される

    基本表示は、車間距離と速度(この場合はクルーズコントロールをセットして走行中の場合)と水温、尿素触媒量、燃料残量が表示される...ザ・トラック

    基本表示は、車間距離と速度(この場合はクルーズコントロールをセットして走行中の場合)と水温、尿素触媒量、燃料残量が表示される

    安全面にもこだわりを

    カーゴ系車に標準装備されて来たドライバーモニター(ドライバーの挙動から疲労状態を検出して警報音で注意を促す)、車線逸脱警報、VSC(車両の旋回時や制動時の安定性自動制御システム)に加え、PCS(衝突事前安全システム)の機能向上を図り、ミリ波レーダーとカメラによる画像センサーにより前方の停止車両や歩行者も適格に検知して衝突新型車紹介回避をより高度に支援することを可能とした。こうした装備を全車に標準装備することにより日野車全体の安全性マージンを高めている。 なお、ドライバーモニターは、建設系車ではオプション設定とされている。

    可変配光式LEDヘッドランプも設定された。完成バン型車では標準で採用している...ザ・トラック

    可変配光式LEDヘッドランプも設定された。完成バン型車では標準で採用している

    PCS プリクラッシュセフティシステムの機能を向上し、停止している車輌や歩行者に対する感知と作動も盛り込まれた...ザ・トラック

    PCS プリクラッシュセフティシステムの機能を向上し、停止している車輌や歩行者に対する感知と作動も盛り込まれた

    省燃費性に徹した動力系

    新9リットル・A09C型エンジンを主力エンジンに据えて、軽量化と燃費性能の向上を果たした。平成27年燃費基準の+10%達成を全車で果たし、登録時に減税の扱いを受ける。ダウンサイジング(13L→9L=31%減容)に伴う出力及びトルクの低下を最小限に抑える為に、吸気系は2段過給方式を採用した。また、シリンダーライナーのピストン摺動部に微少で多数の窪み(ディンプル)を設けて摺動抵抗を減らす新技術を開発し採用した。日本ピストンリング株式会社との共作である。 一部の重量車型では、従来の総排気量13LのE13C型エンジンの選択も可能としてある。こちらは最高出力302kW(410PS)、最大トルク1,569N・m(160kgf・m)が確保されている。 定評あるAMT(自動化機械式トランスミッション)プロシフトProShiftはFH型車を除き全車型に展開し、ドライバーの運転負荷を減らし燃費向上の効果を確実なものにしている。従来のスムースな変速機能と交通環境によって選択可能な変速モードに加え、〝E-コーストE-COAST〟と呼ぶ機能を追加した。これは、かなり前方の信号が赤に変わった様な場面で効かすと、クラッチを切って惰性走行距離が伸び燃費向上効果を高められるし、緩やかな下坂路でも一定条件のもではクラッチをオフにしてエンジンブレーキ機能を遮断し、次の登坂路にかかる間の車速に余裕を持たせてアクセル踏み込み量を少ない状態で狙った車速幅を維持出来るなど、ベテランドライバーがマニュアルシフト車で行う燃費向上策の一手法をプロシフトのプログラムに組み入れたものである。 なお、オプションでトランスミッション後部直づけの永久磁石式リターダの選択も可能である。先のE-COASTの活用とあいまって、ドライバーの選択操作に磨きを掛ける訓練の必要もありそうだ。

    新開発のA09C型エンジン外観。排気量は7Lながら吸気系に2段過給方式を採用して11LのE13C型に肉薄する出力が出る。車両重量の軽量化に最も寄与している...ザ・トラック

    新開発のA09C型エンジン外観。排気量は7Lながら吸気系に2段過給方式を採用して11LのE13C型に肉薄する出力が出る。車両重量の軽量化に最も寄与している

    A09C型エンジンの性能曲線(最大の場合)が表示されている...ザ・トラック

    A09C型エンジンの性能曲線(最大の場合)が表示されている

    (表1)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値トラック等(車両総重量3.5t超の貨物自動車)=抜粋=...ザ・トラック

    (表1)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値トラック等(車両総重量3.5t超の貨物自動車)=抜粋=

    (表2)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値トラクタ(車両総重量3.5t超の貨物自動車)...ザ・トラック

    (表2)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値トラクタ(車両総重量3.5t超の貨物自動車)

    (表3)新A09C型エンジンラインアップ...ザ・トラック

    (表3)新A09C型エンジンラインアップ

    燃費向上策として惰力の活用を積極的に行うプログラム〝Eコースト〟もプロシフトPro Shiftに採用された(本文参照)...ザ・トラック

    燃費向上策として惰力の活用を積極的に行うプログラム〝Eコースト〟もプロシフトPro Shiftに採用された(本文参照)

    運転支援システムリポート機能も充実

    スピードメーターとタコメーター間のディスプレイを3.5インチから7インチへ大幅に拡大し、ここに燃費性能のリアルな状態、各種警報、運転履歴情報などを表示するとともにデータを記憶し、随時に運行管理者の元へ送信する〝つながる機能〟も備えた(従来の機能を更に改良)。 基本機能として、リポート機能は〝運転評価〟と〝車両リポート〟がある。前者は安全性と省燃費性についてのドライバー毎の評価をレーダーチャート方式で出力して分かり易く表示する。車間距離についても図示してドライバーの癖を描き出す。 後者は燃費性能を単に燃料消費量と運行距離の関係(単純燃費率)で示すだけでなく、積荷の多寡(多いか少ないか)と燃料消費・運行距離の相関を計算して表示することも出来る。運行計画にこれを反映させ実車率の向上に刺激を与える使い方に役立つ。

    ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメントが表示される...ザ・トラック

    ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメントが表示される

    ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメントが表示される...ザ・トラック

    ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメントが表示される

    ドライバーに運転のクセを改善する刺激を与える...ザ・トラック

    ドライバーに運転のクセを改善する刺激を与える

    車上メーター間のモニターには燃費情報が木目細かく表示される...ザ・トラック

    車上メーター間のモニターには燃費情報が木目細かく表示される

    排気後処理システム

    全車にDPRと尿素SCRの直列複合システムを採用した。基本的には従来のシステムと同類だが、エンジン本体の改良に伴う尿素触媒の消費量を抑制しこの方面のコスト削減を図った。

    作動イメージ...ザ・トラック

    作動イメージ

    軽量化で実質積載重量アップに貢献

    エンジンのダウンサイジングは凡そ300kgの軽量化効果を実現したという。併せて、キャブのフロント回りのバンパーやグリル、パネル等の樹脂化も進めた(前述)。 シャシではリヤエアサス車の車軸支持方式を、従来の前後軸共トレーリング式から今回は前軸リーディング式、後軸トレーリング式とした。必ずしも日野独自の設計ではないが、サスペンションブラケットの形状と配置を変更した。具体的な軽減重量は公表されていないが、この部分でもかなりの軽量化が得られているという。 軽量化効果と共に架装性に大きく貢献した変更はフレームである。コ字断面のメインフレーム形状は変わりないが、材質を500MPaから600MPaの高高張力鋼に変更したことに加え、クロスメンバーや各種ブラケットの締結を全て側面(ウエブ面)でボルト締めで行う方式に変更した。従来は、上下のフランジ面を利用してリベット締めであったので、架装に当たりフレーム上面の凹凸を処理する必要があった。これが今後必要無くなる。架装性と重量軽減の両方に好影響がある。 こうした設計変更を総合すると、メーカー完成のウィングバン(FS6×4車、FW8×4車など)で車両重量が400㎏程度軽量化され、その分、実質積載重量の増加メリットが享受できることとなった。これは大きな改良である。 なお、車型毎にエンジン搭載位置及びフレーム付けの補機類配置の見直しも行い、架装性を一層向上させた。

    シャシ側の設計変更もいろいろ行われた。後2軸車のエアサスは軽量化の狙いから日野車では初めての方式が採用された(本文参照)...ザ・トラック

    シャシ側の設計変更もいろいろ行われた。後2軸車のエアサスは軽量化の狙いから日野車では初めての方式が採用された(本文参照)

    重量の張るサスペンションブラケット(鋳鋼製)は中央に1か所となった...ザ・トラック

    重量の張るサスペンションブラケット(鋳鋼製)は中央に1か所となった

    エアサスは普及が進んでいる...ザ・トラック

    エアサスは普及が進んでいる

    フレーム材質の変更(本文参照)とともに、架装物の締結を全てコ断面の側(ウエブ)面でおこなう方式に変更された。予め定ピッチの孔が明けてあり、架装工場でフレームに加工する必要はなくなった。必要に応じてUボルトが併用される...ザ・トラック

    フレーム材質の変更(本文参照)とともに、架装物の締結を全てコ断面の側(ウエブ)面でおこなう方式に変更された。予め定ピッチの孔が明けてあり、架装工場でフレームに加工する必要はなくなった。必要に応じてUボルトが併用される

    中央の空色の部材が後2軸の動きを規制する重要な部品...ザ・トラック

    中央の空色の部材が後2軸の動きを規制する重要な部品

    ドライバー重視の設計は随所にもりこまれている...ザ・トラック

    ドライバー重視の設計は随所にもりこまれている

    外観イメージをプロフィアと調和

    外観を一新し、プロフィア車と共通の印象を与える太めのグリルを採用した。左右の上方にやや拡がる切れ上がりがポイントだ。 スイッチ〝オン〟で常時点灯するデイライトを採用したのはプロフィアと共通で、日野車の新しいアイデンティティーを誇示する。 キャブバリエーションは、キャブ幅で標準とワイドの2種、ルーフ高さで標準とハイルーフぼ¥の2種、組み合わせで3種である。長手方向では、ショート、ベッド付き、ダブルキャブの3種、ルーフ高さで標準とハイルーフの2種、組み合わせで合計4種の設定だ。

    プロフィア車と外観イメージを調和させた...ザ・トラック

    プロフィア車と外観イメージを調和させた

    標準幅キャブ(左) ワイドキャブ(中央) 標準型キャブハイルーフ(右)...ザ・トラック

    標準幅キャブ(左) ワイドキャブ(中央) 標準型キャブハイルーフ(右)

    LEDヘッドランプ。デイライト組み込みはプロフィアと共通する...ザ・トラック

    LEDヘッドランプ。デイライト組み込みはプロフィアと共通する

    インテリアもプロフィア車を意識

    大型メーターと7インチ運転情報モニターの採用など、プロフィア車を意識したデザインである。ProShiftの採用車種の拡大に関連してダッシュパネルにセレクターノブを設け、併せてステアリングスイッチの採用したことも同じデザインポリシーに基づいている。

    インテリアでは、プロシフトのギヤセレクターをプロフィアと同じようにセンタークラスター部に移動した...ザ・トラック

    インテリアでは、プロシフトのギヤセレクターをプロフィアと同じようにセンタークラスター部に移動した

    メーターを大型化し、中央に7インチ液晶モニターを配置した...ザ・トラック

    メーターを大型化し、中央に7インチ液晶モニターを配置した

    ステアリングスイッチ右...ザ・トラック

    ステアリングスイッチ右

    プロシフトPro Shift用ギヤセレクターをセンタークラスターに移動した...ザ・トラック

    プロシフトPro Shift用ギヤセレクターをセンタークラスターに移動した

    ステアリングスイッチ左...ザ・トラック

    ステアリングスイッチ左

    小柄な女性にも優しいシートを採用した。上下・前後の調整代を拡大したのはプロフィアと同じ考え方に基づく...ザ・トラック

    小柄な女性にも優しいシートを採用した。上下・前後の調整代を拡大したのはプロフィアと同じ考え方に基づく

    新エンジンを採用

    新たに全面採用したJ05C型エンジンは中型バス・レインボーでも実績を積んでいる機種で、従来も一部車型には搭載してきた。旧モデルに多用されてきたJ07E型エンジンは国内向けレンジャーでは使用を中止し、ダウンサイジングを明確にした。 新J05C型エンジンは用途により出力仕様を5通りに設定し、旧モデル7Lエンジンを上回る出力特性とした。例えば、新J05Cエンジンの最強力機種の最高出力は191kW(260PS)・最大トルクは882N・m(90kgf・m)であるが、旧モデルの最強機種の最高出力は177kW(240PS)・最大トルクは774N・m(79kgf・m)であった。これで分かるように、新J05C型エンジンは2段過給によるチューンアップで20%の排気量ダウンサイジングにも拘わらず旧型車より最大で8%の出力向上を行い、かつ平成27年燃費規制を達成(一部車種では+5%達成)を実現している。 トランスミッションはAMTであるProShift6とマニュアル7MTと6MTを選択可能としてある。アリソンATもFJ、FE両車型に設定を残した。

    新開発の5LエンジンA05C型外観...ザ・トラック

    新開発の5LエンジンA05C型外観

    A05C型エンジン性能曲線...ザ・トラック

    A05C型エンジン性能曲線

    (表3)新A09C型エンジンラインアップ...ザ・トラック

    (表3)新A09C型エンジンラインアップ

    排気後処理システム

    軽量型車(FC、FD、GCの各一部モデル)では尿素フリーのDPR-Ⅱで排出基準達成を実現しているが、高性能車型ではDPR+尿素SCRシステムを採用している。冷凍車専用シャシでは冷凍機関係の架装を考慮して、一般カーゴ系とはシステム接続構成の変更を行っている。

    安全性と運転支援システム

    プロフィア車並の装備をほぼ全車に採用して、日野の安全への高い意識を反映させている。全車種に採用のアイドリングストップの作動は、パーキングブレーキの操作無しで信号の切り替わりと運転操作に素早く反応させる改良が行われた。

    排気後処理システムの配列は、架装車体種別で予め区別されている...ザ・トラック

    排気後処理システムの配列は、架装車体種別で予め区別されている

    FC型車の冷凍車専用シャシの補機配列。床下搭載機器の為にスペースを確保して架装メーカーの工事負担を解消した...ザ・トラック

    FC型車の冷凍車専用シャシの補機配列。床下搭載機器の為にスペースを確保して架装メーカーの工事負担を解消した

    FE型車のクレーン専用シャシの補機配列...ザ・トラック

    FE型車のクレーン専用シャシの補機配列

    100年の歴史に立って

    日野自動車は、同社のルーツである東京瓦斯電気工業株式会社(1910年設立)が陸軍大阪砲兵工廠から四頓自動貨車(貨物トラック)の製造を勧奨され(1917年)、翌年に5台の試作を大森工場で行った歴史から記念すべき100年となる本年、次の100年を見据えた展望の元に今回の新型車発表を行った。周知のように、上記の歴史は一定期間においていすゞ自動車と共有する部分であり、日野自動車の現在の本社(東京都日野市)の場所に瓦斯電気工業の自動車部門分工場として日野製造所を設け、1942年に分社・日野重工業となった時点で独自の道を歩み始めた。ここを始点とすると日野自動車は本年、大きな節目の75周年を迎えたことになる。

    FC型標準平ボディ車。一部車種では尿素フリーの排気後処理システムが採用されている...ザ・トラック

    FC型標準平ボディ車。一部車種では尿素フリーの排気後処理システムが採用されている

    FX型バン型車架装例...ザ・トラック

    FX型バン型車架装例

    FE型ウィングボディ架装例。レンジャーシリーズ中の最重量級車...ザ・トラック

    FE型ウィングボディ架装例。レンジャーシリーズ中の最重量級車

    時代を語る車体人10、石井産業株式会社(大阪市中央区)

    今月号の「車体人」シリーズは、物流とは切っても切れない関係にあるパレットを扱う石井産業㈱を訪問した。同社が扱うスチールパレットは軽量で加工性に優れている。運ぶ製品に合わせた最適なパレットを提供できるのもスチールパレットの大きな特長でもある。日本の輸出産業にスチールパレットで貢献していく目的もある、と創業者の石井修会長は語る。最近では、同社のアイデンティティでもあるISIX(アイシックス)ブランドで化粧品事業にも進出している。

    UDトラックスのフラッグシップ新型「クオン」登場

    UDトラックスは2017年4月11日、新型「クオン」を発表・発売した。今回の新型はキャブの骨格こそ残しているもののシャシーフレーム、足回りを含め全てを見直したフルモデルチェンジと位置付けられている。本年の10月1日から新型車において適用される平成28年(2016年)排出ガス規制に適合した重量車として大型各社がモデルチェンジ車をデビューさせる中、4月5日の日野プロフィアに続いて1週間を断たずして発表された新型車である。間もなく他社も登場してくるであろうが、いずれも久々の新大型車らしく大きな改良がなされてくるであろう。

    小型トラック「日野デュトロ」を改良して発売、PCSを全車に標準装備、排出ガス適合車もラインアップ

    日野自動車㈱は、小型トラック「日野デュトロ」を改良して、2017年5月8日に発売する。今回の改良では、衝突被害軽減ブレーキ「PCS(プリクラッシュセーフティ)」および「車線逸脱警報」を全車(LPG車、消防車用車型を除く)に標準装備とした。