中型トラック向けに続き小型トラック搭載型クレーンの「ユニッククレーン」をフルモデルチェンジ
月刊ITV 2017年11月号
発行:平成29年11月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄
古河ユニック…「ユニッククレーン」をフルモデルチェンジ
フルモデルチェンジ…古河ユニック
中型トラック向けに続き小型トラック搭載型クレーン
古河ユニック㈱は、すでに販売し好評を得ている中型トラック搭載型クレーン『ユニッククレーンG-FORCEシリーズ』に続き、小型トラック向けもフルモデルチェンジし、2017年10月5日に販売を開始した。 ユニックは、トラック搭載型クレーンの国内シェア約50%を有しており、2016年11月には需要のもっとも多い中型トラック搭載型クレーンのフルモデルチェンジを実施している。 フルモデルチェンジしたG-FORCEシリーズは、“安心”を追求した様々な機能を追加しているが、なかでも「液晶ラジコンJOY」と「デジタル式荷重計」は、車両から離れた場所でも液晶ラジコンで吊り荷重を確認できる点や、荷重表示が20㎏単位と高精度に表示される点が、購入者である経営者や実際に作業するユーザーから好評で、さらに経営者からは、「液晶ラジコンJOY」の吊り荷重の加算機能により過積載を防止できることや、安全装置をパッケージ化した「セイフティ仕様」、走行事故防止のための「ブーム・アウトリガ未格納警報装置」を標準装備したことなど、経営者目線からの安心機能が高い評価を得ている。 一方、作業者からは、「液晶ラジコンJOY」に搭載されているフック平行移動や対地平行移動などジョイスティックによる連動操作を高く評価しており、特に従来から好評のクレーン旋回、起伏、伸縮、巻上・巻下操作を2つのレバーでコントロールするジョイスティック式は、コントロールバルブを内製しているため実現できるオンリーワン機能で、操作性のカスタマイズ等さらなる高機能化により作業者の操作性を格段に高めることが可能となっている。 ユニックは、フルモデルチェンジした中型トラック向けで経営者並びに作業者から高い評価を得られたことから、小型トラック向けでも“安心”を追求した機能を備えたフルモデルチェンジを実施したもので、小型・中型トラック向けの『ユニッククレーンG-FORCEシリーズ』のほか、今後は大型トラック向けのフルモデルチェンジも進めていく計画だ。 なお、標準価格(税別/シャシを除く)は、URG290シリーズ〔3段~6段ブーム〕で250万円~511万円、URG260シリーズ〔3段~5段ブーム〕で215万円~457万円。販売目標は年間3,000台(2機種合計)としている。主な特長
(1)基本性能の進化(“安心”のための機能を全機種標準装備) ・正確な吊り荷重が確認できる「デジタル式荷重計」を全機種に標準装備。従来の油圧式荷重計ではフックの巻き上げ操作中にしか吊り荷重を確認できなかったが、デジタル式荷重計では常時表示され、誰でも簡単かつ安全に作業できる範囲を把握することができ、過負荷によるクレーンの折損や転倒事故を防ぐことが可能。・そのほか、フックの巻き過ぎによるワイヤー切断を防止する「巻過自動停止装置」、ブーム等の格納忘れによる走行事故を防止する「ブーム・アウトリガ未格納警報装置」を全機種に標準装備。 (2)ラジコンの進化(見える“安心”&思い通りに動く“安心”) ・優れた連動操作性がユーザーの高い支持を受けている「連動ラジコン」「連動ラジコンJOY」をさらに進化させた、「液晶ラジコン」「液晶ラジコンJOY」を新たにラインナップ。従来、上位モデルでのみ表示していた吊り荷重を、全ての液晶ラジコンで標準仕様として表示し、車両から離れた場所でも吊り荷重を液晶モニターで確認しながら、安心してクレーン作業が行える。・また、作業者の熟練度によるクレーン操作の違いや、吊荷や現場の状況によって求められる操作性が異なることに対応すべく、ユーザーニーズをもとに、今まで以上にクレーンの操作性をカスタマイズできる。例えば、クレーンの初速特性をこれまでの“標準”に加え、“微速”“高速”から選択できるようにするなど、各種設定の組み合わせで、思い通りの操作設定が可能。これにより、熟練者にも初心者にも使いやすく、吊荷や作業環境にあわせたクレーン操作を安心して行える。・このほか、過積載による事故防止に役立つ「吊り荷重の加算表示機能」も搭載し、運転手の安全だけでなく、荷主や運送業経営者の安全管理に貢献。 (3)安全性能の進化(クレーンの状態と限界がわかる“安心”) ・業界唯一の3年保証付き「過負荷警報装置」及び「転倒防止装置」の従来からある安全仕様に加え、架線などへの接触事故を防止する「高さ制限装置」と吊り上げ性能が大幅に低下する前方領域をフォローする「前方領域検出装置」を備えた、安全装置のフル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセイフティ仕様)を新たに設定。クレーンの負荷状況と安定度を常に監視し、過負荷作業と転倒事故を未然に防止。・さらに、フル装備モデルの液晶ラジコンには吊り荷重だけでなく、作業半径や定格荷重、負荷率なども表示するので、クレーンの状態や限界を液晶モニターで確認しながら、安心して作業を行うことができる。また、荷ブレを抑制する「高機能ショックレス(自動減速)機能」も搭載。なお、フル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセイフティ仕様)はオプションとなる。 (4)制御性能の進化(高度な制御で“安心”サポート) ・ブームの伸縮操作に連動してフックが平行移動する「フック平行移動」やフックの高さが変わらない「対地平行移動」に加え、新たにブームの先端が車両に対して前後左右方向の平行移動や垂直移動する「直交動作モード」を搭載(スマートセイフティ仕様のみ)。本来、ブームを動かす油圧制御には、ブームの伸縮、起伏、旋回、フック(ワイヤー)の巻上/巻下があり、平行移動や垂直移動にはこれらを同時に制御しなければならず、熟練の操作技術が必要だった。この連動操作を、液晶ラジコンの高度な制御技術のアシストにより一つの操作で簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上。・さらに、新たな機能として搭載した「記憶動作モード」では、記憶した地点まで半自動移動するショートカット移動や、クレーン操作を記憶して反復動作する軌跡移動を可能としており、作業効率化を実現。・このほか、クレーン本体にはクレーンの状態表示だけでなく、不具合時の対処方法等も表示される液晶パネルを搭載しており、万が一の時のトラブルシューティングに役立つ。なお、制御機能はスマートセイフティ仕様のみの機能となる。 (5)環境性能の進化(環境配慮にさらなる“安心”) ・標準仕様では、ポンプサイズ(容量)をアイドリング時のエンジントルクで回すことのできる最大のサイズまで大型化することで、最高エンジン回転数を最大約11%低減し、トラックのエンジン負担を軽減するとともに低燃料・低排出ガス・低騒音化を実現している。・さらに、『U-can ECOシリーズ』の「エコポンプ・システム」(エンジン回転数を最大で約38%低減、燃料消費量を最大で約27%削減)を進化させた「スマート・エコシステム」に加え、ウインチには「サイレント・エコウインチ」を、ブームには「エコシリンダ機構」を搭載し、最上位モデル「エコプレミアム仕様」を新たに設定。クレーン作業において最も使用頻度が高く、騒音の発生要因ともなっていたウインチに、新開発の「サイレント・エコウインチ」を採用したことで、ウインチの作動音が最大10dB低減し、作業者への環境負荷を軽減。また、作業状況に合わせて、静粛性を優先したエコ重視と作業時間の短縮を優先した速度重視の設定に切り換えることも可能。「日野デュトロハイブリッド」ワイドキャブ車を改良
小型トラック…日野自動車
6速AMT搭載とハイブリッド制御改善で燃費を向上
日野自動車㈱は、小型トラック「日野デュトロハイブリッド」のワイドキャブ車を改良して燃費を向上させ、2017年11月1日に発売した。 今回の改良では、変速機を従来の5速AMT(機械式自動変速機)に替えて新型6速AMTとし、ハイブリッドシステムの制御を改善することで燃費を従来車の12.2㎞/Lから13.2㎞/L(最大積載量1.5トン超2.0トン以下の車型の重量車モード燃費値)へ大幅に向上させた。 今回新たに、発進時のモーター走行や変速時のモーターアシストの追加等、モーターの稼働領域を拡大することでハイブリッド車らしい走行フィーリングを実現するとともに、ドライバビリティも向上させている。さらにPCS(衝突被害軽減ブレーキ)のレーダーで先行車を検知し、車間距離に応じて最適なハイブリッド制御を行う。 今回発売する「日野デュトロハイブリッド」ワイドキャブ車は平成27年燃費基準+15%を達成しており、エコカー減税の対象となり取得税、重量税ともに免税となる。 日野はこの「日野デュトロハイブリッド」ワイドキャブ車を東京ビッグサイトで開催された「第45回東京モーターショー2017」に出展した。 代表車型の日野デュトロハイブリッド(TSG-XKU710MTQVMC)の東京地区希望小売価格は、N04C-ULエンジン110kW(150PS)搭載、ProShift6(6速AMT)トランスミッション、2トン積み、ワイドキャブ・ロングボデー・全低床仕様で5,616,540円(税込)。年間販売目標台数は、日野デュトロシリーズ全体で26,300台としている。三菱ふそう…中型トラック「ファイター」2017年モデルを発売
中型トラック…三菱ふそう
直6ターボの継続設定と内装をブラック基調に一新
三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、中型トラック「ファイター」2017年モデルを全国の三菱ふそう販売会社及び三菱ふそう地域販売部門で2017年10月より販売を開始した。 「ファイター」2017年モデルは、従来車に対しNOx排出量を40%低減し、平成28年排ガス規制に適合させるとともに、平成27年重量車燃費基準を達成している。 中型トラックの車格にふさわしい直6ターボエンジンを継続設定し、ゆとりある排気量で力強い発進性とエンジンブレーキ(エキゾーストブレーキ)能力を確保。ハイパワーが快適な高速走行を、また豊かなトルクがフル積載時の余裕ある走りやすぐれた登坂性能に貢献する。 インテリアについては、ブラック基調でシルバーラインを配した、シックな内装色へ一新。ステアリングホイール、ドアトリムやベッドを黒で統一し、クールで上質な空間を提供している。 エクステリアは、フロントグリルのフレーム部にブルーラインの塗装を施したエコブルーグリルを採用し、先進のエコ&クリーンなイメージを演出した。車両スペックと東京地区販売価格
・車型…2KG-FK64FK3EB ・エンジン…6M60(T3)型162KW(220PS) ・トランスミッション…6速MT ・主な仕様…GVW8t、カーゴシャシ、フルキャブ、リヤエアサス ・価格…8,271.72千円(消費税込み)UDトラックス…新型「クオン(Quon)」セミトラクターを発売
セミトラクター…UDトラックス