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    ITV_2016年6月号表紙

    月刊ITV 2016年6月号

    発行:平成28年6月1日 発行所:(株)日新(HP) 執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之 表紙・レイアウト:望月満 記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄

    ㈱東光冷熱エンジニアリング、移動販売車とワンボックスの架装がメインにニッチな部分で業績を伸ばすエンジニアリング企業

    日本のコールドチェーン時代を見据えての設立、 開発を主軸にした輸送用冷凍ユニットの技術集団

    他が扱わない商品が当社の得意分野です、と宮田社長...ザ・トラック

    他が扱わない商品が当社の得意分野です、と宮田社長

    ㈱東光冷熱エンジニアリング(神奈川県厚木市)...ザ・トラック

    ㈱東光冷熱エンジニアリング(神奈川県厚木市)

    先進的な優れた技術力とその独自性で日本のコールドチェーンを築いた企業今月号は、日本でコールドチェーンが動き始めた時代に設立された老舗冷凍機メーカーの㈱東光冷熱エンジニアリングを訪問した。 同社が設立したのは冷凍車による定温輸送がまだ完全には定着していない1969年(昭和44年)である。当時、家庭向けのブラウン管テレビを個人で製造販売していた坂入博氏が、これから到来するであろうコールドチェーン時代を見据え、輸送用冷凍ユニットの製造とその販売を行う会社を設立したのがその始まりである。 筆者が同社をはじめて訪ねたのは昭和50年頃だと記憶している。すでに45年ほどのお付き合いになる。創業者で社長を務めていた坂入氏、そして当時同社の専務だった坂入夫人は、これから到来するであろうコールドチェーン時代に向け、輸送用冷凍ユニットの開発から製造販売までを手掛ける会社経営に力を注いでいた。同社は時代の波に乗り、その業績を順調に伸ばして行った。坂入ご夫妻は貧乏出版社の若手記者だった筆者をいつも大切にしてくれた。コールドチェーンの中で冷凍機の役割とは、これからの時代に冷凍機がどう進化するか、という話を坂入氏は筆者にも分かりやすく説明してくれた。それからすでに40年以上が過ぎた。懐かしい思い出である。 技術集団でもある同社は、2コンプレッサ式ユニット、軽自動車用ユニット、エバポレータとコンデンサを一体化させ庫内突起をなくした「グランデ」という名称が付いたユニットなど、冷凍車市場に革命を起こす装置をこれまでに数多く開発している。冷蔵と温蔵を同時に実現できる装置を開発したので見に来い、という電話をもらったこともある。社名の通りエンジニアリングを基本理念にするユニークな企業である。 久しぶりに同社を訪ねると工場内は小型の車両で埋め尽くされていた。以前のように2トン車や中型車はまったくない。特に、軽四輪ベースの移動販売車とワンボックスタイプの車両が目立つ。さっそく本社2階の事務所に現社長の宮田存康氏を訪ねた。宮田社長は同社の古株社員の一人で、今から14年ほど前に坂入ご夫妻が相次いで病気となり入院したことから、営業実績と経営的センスを持つ宮田氏が同社を受け継ぐ形でオーナー社長となったのである。 それでは宮田社長に同社の近況も交えお話を聞くことにする。

    細かなニーズを盛り込んでの架装冷凍機メーカーがつくる移動販売車

    ■於久田 かなり忙しそうですね。工場が小型車でいっぱいです。ワンボックスや移動販売車もありましたが…。 ◆宮 田 このところ移動販売車が多くなってます。高齢化社会が到来して、近くにコンビニがあってもおっくうがって行かない人が増えてます。そんな関係もあって移動販売車が増加しているんです。忙しいのはありがたいけど、けっこう仕事が集中しているので、経営面で結果いいのかどうかは分かりませんけどね。 ■於久田 先月号の札幌ボデー堀田社長も高齢化の波を受けて移動販売車がこのところ特に伸びていると言っていました。買い物弱者への対策ということになるんでしょうね。 ◆宮 田 当社は移動販売車なども含めた特殊ものや特種ものが多いんです。冷凍車だと、小さいのが主流です。以前は2トン車以上の冷凍車を多くやってましたが、今は1トン以下から軽四クラスが中心です。中型車や大型車は他社も扱ってますから、うちの独自性というものが出しづらいんです。コスト的にもかないませんからね。当社が生きる道は、他社が大量に扱っていない、メーカー設定にならないような特殊もの。例えば、2コンプだったり、ちょっと技術のいる改造ものだったり、そういう分野しかないんです。ですので、他社が扱っていないものを中心に、全国からオーダーをいただいてます。 タウンエーストラックの2コンプはたぶん当社しかやっていないと思うので、北海道から九州まで全国からその話が来ます。ボデーが架装されたものに冷凍機を付けたり、ボデー架装も含めて扱ったりと仕事のパターンはいろいろです。もちろん2コンプは膨大な台数ではないんですが、コンスタントに仕事が入ってきます。 ■於久田 工場を見るとワンボックスもけっこう多い感じですが…。 ◆宮 田 ハイエース、ボンゴなどワンボックスの冷凍車は数が多いですね。ハムや薬品、その他にも宅配便用などいろいろありますが、配送用ワンボックスは量的に多いですね。特殊なものでは、高額なものを運ぶタイプで電磁ロックを取り付けるものもあります。ウインドウ部をブラインドにして、ボデー内に断熱を入れて、看板を入れて、冷凍機や後方確認カメラを付けて、電磁ロックまで取り付ける、こういう一連の作業を1社ですべてやりますから、ユーザーから重宝がられている面は確かにありますね。 冷凍機メーカーから逸脱してますけど、基本はこれまで蓄積してきた冷凍・冷蔵の技術がベースになります。このワンボックス架装も坂入会長が残してくれたもので、当社オリジナルの商品です。今それがあるから関連の仕事も増加していると思ってます。 ■於久田 移動販売車も多くなっているとのことですが、ニーズに応じて架装しなければならない車種ですから苦労もあるでしょうね。 ◆宮 田 移動販売車は毎月コンスタントに仕事がきてます。以前はボデーは別の会社が担当して冷凍機だけを当社で取り付ける仕事がほとんどでしたが、今はボデー架装から冷凍・冷蔵ユニットなど移動販売車のすべてを製造しています。逆に冷凍装置だけを取り付ける仕事は減ってます。ユーザーのニーズに応じる移動販売車を提供するには1社ですべてを扱う方法が一番いいんです。だから、仕様に応じて部品加工だけを専門の会社に頼んで、当社ですべてをゼロから組み上げて架装してます。軽から1トン車以下はすべて社内で完成車にします。ただ、1トン車以上の大きな移動販売車になるとボデーは他で架装するという形で、当社がそこに冷凍機を取り付けるという従来のスタイルです。 ■於久田 仕様が1台1台バラバラでしょうから設計も大変なんじゃないですか。 ◆宮 田 設計担当も何人かいますが、どれも一品料理的な車両だから、まず営業がお客さんのところに行って細かなニーズを聞いてポンチ絵を描くんです。そういう絵が描けないとうちの営業は務まりません。それと、保健所の規定も知ってなければならないし、音響装置や照明から手洗い装置など、移動販売車のすべてについても分かってないとダメなんです。それでも、完成してからお客さんが考えていたイメージとは違う、というケースもたまにはあります。 移動販売車は同じ仕様がほとんどないので、月に2桁の台数をこなすのは難しいですね。当然その他に普通の冷凍車の仕事もあるわけですから…。 それと、移動販売車でも将来的に電気を使うニーズが出てくるはずなので、現在開発を進めている電気式タイプのユニットも本格的に考える必要があると思ってます。電気なら現場で電源をどこからか引っ張ってくればいいわけで、エンジンを駆動させながらコンプレッサを回さなければ、という話にはならない。コンビニさんからも引き合いがありますが、現状はまだ電気でやってくれと言われることはないんですが、そういう需要はこの先必ず出てくるでしょうね。コンビニさんのニーズは、冷凍と冷蔵、温めるのも欲しい、さらにコーヒーをやって、冬場はおでんもやる、という話もあります。それは軽では無理です。そういう場合にも電気式は必要かもしれません。 何十台も持ってる大手のコンビニさんは、上手く行かない販売店の販売車を本部に引き上げて別の店に回すという方法で全国展開されてます。なかなか良い方法だと思いますね。

    大手コンビニ向けの軽四輪ベースの移動販売車。東光冷熱でボデー架装から冷凍装置の取り付けまですべてを担当する...ザ・トラック

    大手コンビニ向けの軽四輪ベースの移動販売車。東光冷熱でボデー架装から冷凍装置の取り付けまですべてを担当する

    同社オリジナル架装の軽四輪をベースにしたパン・乳製品向け移動販売車。細かなユーザーニーズが随所に取り入れられている...ザ・トラック

    同社オリジナル架装の軽四輪をベースにしたパン・乳製品向け移動販売車。細かなユーザーニーズが随所に取り入れられている

    ワンボックスの冷凍車。同社でボデー改造から冷凍装置の取り付けまでを一貫して行っている...ザ・トラック

    ワンボックスの冷凍車。同社でボデー改造から冷凍装置の取り付けまでを一貫して行っている

    空調装置付きの実験動物運搬用。細かな室温調整が可能なこともありこの分野で同社は高いシェアを持っている...ザ・トラック

    空調装置付きの実験動物運搬用。細かな室温調整が可能なこともありこの分野で同社は高いシェアを持っている

    2コンプタイプまで扱う同社は軽四冷凍車の冷凍装置でも大きな実績を持っている...ザ・トラック

    2コンプタイプまで扱う同社は軽四冷凍車の冷凍装置でも大きな実績を持っている

    オーバーフロー状態の受注量人材不足解決がひとつの課題に

    ■於久田 ワンボックスもかなりの台数をこなしているようですが、納期的にはどうなんでしょうか。 ◆宮 田 飽和状態というか、こういう状況なものだから、最大で1ヶ月のワンボックスの納期も今は2ヶ月以上もらう状況になってます。今注文されても8月です9月です、っていう話になります。そんなことで大丈夫かなとも思いますが、他にこの種の架装を扱うところがないからお客さんもしょうがなく待ってくれるんです。他のボデーメーカーさんに聞いても4ヶ月、5ヶ月、ダンプなんかは1年とか言ってますからね、こういう状況がいつまで続くんだろうか、といつも考えてます。 その中で、ひとつネックなのが人が入ってこないんです。明らかに人材不足です。以前は募集をかけると10人から20人ぐらいは応募に来たんですが、それが昨年からパタッと来なくなったんです。 たぶん、アベノミックスで景気が回復して大手が人材を要求しているのと、人に使われるのが嫌だと思うフリーター的な人達が増えたことが要因だと思います。職場を替えようと一番動くのは30代前後で、家庭を持っていて、すこしでもいい仕事を探しているような人なんですが、そういう人もまず最初に大手を狙いますからね。そんなことでなかなか人が集まらない。 ■於久田 経営者としての大きな悩みのひとつでしょうね。東光冷熱のような技術優先企業の仕事は楽しいと思いますけど…。 ◆宮 田 募集時には「プロフェッショナルな職場です」とは言ってはいるんですが、それでも集まらない。これがもっかの悩みですね。自分の能力を活かせる職場だし、給料や昇給も他に負けない筈なんですが…。 人材としては20代が欲しいけど、それが今や30代、40代、ひょっとすると50代になっちゃってますからね。 ■於久田 昔は社数も多かった冷凍機メーカーさんもだいぶ少なくなりましたよね。 ◆宮 田 空調工業会(日本冷凍空調工業会)の輸送用冷凍ユニットのメンバーとして以前は10社ほどあったけど、今は半分ほどになってますね。社数が多かった時代には会合で価格がどうの技術がどうのとぶつかったりもしましたが、少なくなった今では、ぶつかることもなく、うちにこんな仕事が来てるけどこの分野は東光さんが得意だからお願いしますよ、という話が出たりしてます。言ってみれば、上手く棲み分けができたのかもしれません。なので、取り合いがない、ガツガツしたところもない。特に当社は大手企業じゃないし、他がやらない特殊な分野なので、みなさんの目の上のタンコブにすらなってないんでしょうね。当社にとってはありがたい話ですけど…。 ■於久田 それも、独自の技術をベースにしてこれまでニッチな部分でやってきたエンジニアリング企業だからだと思いますね。 ◆宮 田 確かにそうかもしれません。狭い部分ではありますが、エンジニアメーカーとして技術を活かした製品を市場に送り出して行けば、この先も生き残れると思ってます。 軽でも他にない2コンプをやってたりしますし、他でやってない製品と技術を持っているんだからもっと仕事が取れるんだろ、と営業会議で言ったりしますけど、現状の納期なんかを考えるとそれもどうなんだと思います。 それと、地球の気温も全世界的に上昇しているので、冷凍機の能力アップが必要になる時代が来るだろうし、移動販売と宅配を兼ねたビジネスは5年、10年先にはもっともっと伸びると思ってます。それも、社内の会議でもよく出る話なんです。 ■於久田 他ではやらない独自の技術をベースにする、という生き残り策は非常に大切なことです。技術と実績がない企業ではできませんからね。それで、そういう中からさらに新しい技術が生まれる。大切なことです。東光冷熱の強みはそこにあると思います。 ◆宮 田 当社開発の電気式冷蔵・冷凍ボックスも本腰を入れて商品化しなきゃいけないんですが、現状は目先の仕事をこなすのが精いっぱいの状況なんです。その他、新製品もどんどん出していかなければならないと常に思ってますが、現状そっちになかなか手が回らないのが正直なところです。 もうひとつ特長的なのが空調・冷房関係になります。例えば、東京空港公団のリムジンバスの空調装置も当社が担当してます。羽田と成田で飛行場内の旅客輸送用に使わる幅の広いバスですが、6月、7月にかけて毎年10台前後扱ってます。この工場にリムジンバスを入れるんですが大物なので大変です。夜中に先導車を付けて陸送してくるんですが、工場の中に入れるのにまた一苦労なんです。工場に入れて、当社で冷房ユニットを改造して能力アップなどを施す形になります。 それと献血用のバスの冷房装置も毎年10台前後扱います。その他、会長(坂入博氏)時代から扱ってますが、馬匹車の冷房も10台前後毎年コンスタントに来ます。特殊分野だし、台数がそんなに多くないので、他ではなかなか扱わない。そういうのが当社に来るんです。

    各種検診車用空調装置の取り付けも同社は数多く担当している...ザ・トラック

    各種検診車用空調装置の取り付けも同社は数多く担当している

    輸送用冷凍機の実績をベースに開発された空調装置は安定した能力を発揮するため馬匹運搬用車両にも採用されている...ザ・トラック

    輸送用冷凍機の実績をベースに開発された空調装置は安定した能力を発揮するため馬匹運搬用車両にも採用されている

    空港内リムジンバスのバス用冷房装置も扱っている。構内走行用の幅広バスなので工場に入れるのが一苦労である...ザ・トラック

    空港内リムジンバスのバス用冷房装置も扱っている。構内走行用の幅広バスなので工場に入れるのが一苦労である

    地獄の日々を送った新社長の1年間手形取引を一切排除した経営方針

    ■於久田 宮田社長のお生まれは何年なんですか? ◆宮 田 昭和29年1月で今年62才になりました。大学を出てすぐ、22才でこの会社に入りましたから、もう40年間この会社にいるんです。大卒は初めてだと言われて入社したのが昭和51年で、当初は経理をやりながらサービスもやってて、当時は冷凍機について何にもわからなかったんですけど、少しづつ業界も分かってきてサービスが面白くなりはじめた頃に、本社に戻って業務と検査を担当しろとなったんです、それが24才ぐらいだったかな。その後、26才から営業です。当時はマツダの仕事を当社がやってて、営業でマツダ担当になりました。関東を中心に全国をいろいろと走り回ってた時代です。ミスターマツダなんて言われてましたね。(笑)当時マツダにはボンゴとポーターキャブがあって、この車種については完璧に熟知してました。 ■於久田 社長を引き継いだのはいつなんですか? ◆宮 田 私が48才のときだから、平成13年です。創業者の坂入夫妻が体調を崩して2人とも相次いで入院しちゃったことで、いきなり社長やれ、となったんです。まだ営業部長の頃です。社長なんて務まらないとは思いましたけど、社内でもお前が社長をやれという話になってそれで社長を受けたんです。ところが、ここからが大変で、景気も良くないし平成13年の1年間はどうにもならない状況でした。さらに、運悪く関係先の不渡りをしょい込んだりで、その1年間は経営的にもどん底で、私は1年間給料も取れませんでした。支払いは膨れるし、手もとの手形は増えるし、当然銀行も金を貸してくれない、そういう状況が続いたんです。地獄の日々でしたね。土地を売ってもバブルはじけてるので負債をカバーできるものでもないし、税金も納めなければならない。私の身内から資金を調達したりして繋いでたような状態でした。 そんな時、石原都知事のディーゼル車乗り入れ規制が発表されて、それで平成14年から15年かけて、乗せ換え需要を中心としたいろいろな仕事が増えてきたんです。 ■於久田 東京都が従来の「公害防止条例」を全面改正して、「都民の健康と安全な環境の確保に関する条例」を制定した時ですね。東京都独自の排出ガス基準が設定され、基準を満たさないディーゼル車は走行を禁止するという画期的なものでしたね。平成13年4月に施行され、平成15年10月から排ガス規制により、基準を満たさないディーゼル車は都内を走ることができなくなる。これによって、トラックの乗せ換え需要が急増しましたよね。 ◆宮 田 他社さんも忙しくなって当社にも仕事が来る。とにかく売上を上げてお金を回していかなければならないわけで、これぞチャンスだと思い懸命に頑張りました。そんなこともあって不渡りも出さずになんとか会社を継続することができたんです。 その時に考えたんです。手形で商売していたら当社のような会社は間違いなく潰れるなと思い、徐々に手形を止めて現金商売に切り替えて行ったんです。幸いにも大手銀行が資金を融資してくれたりで、最終的には手形を一切なくしたんです。 手形をゼロにしたことと、それまでの仕入れも徹底的に見直したことで、平成20年頃から若干ではありましたが利益が出るようになったんです。それからは社員の待遇も良くしてます。 ■於久田 最悪の状況で経営権も含めて社長を引き受けた。正直、騙されたと思ったんじゃないですか? ◆宮 田 そんなことはありません、というと嘘になります。社長を受けたときにはとんでもない状況だったのは事実でしたから、頭にカチンときた時期もありました。でも今は、これだけのものを残してくれたと坂入会長には感謝しています。坂入会長は現在84才で、足が悪くなったので完全リタイヤで自宅におられますが、80才まで毎日会社に出てきてましたからまだまだお元気ですよ。 ■於久田 大学は技術系、それとも経営学とか? ◆宮 田 商科大で簿記を勉強してました。頭はそれほど良くないけど暗算が得意なので、銀行やリース会社と話しているときでも大雑把な計算を先に頭の中でしちゃうんです。先の先を読みながらいろいろと取引してるんです。 ■於久田 そういうのが頭が良いと言うんです。でも、それはすごい。経営者というのはそういうところがもっとも重要ですからね。 ◆宮 田 社長になってから14年を過ぎましたけど、経験上、会社というのは出て行く金はキッチリ期日通り、でも入って来る金はほとんどが遅れる。社長になってそういうことがよく分かりました。なので、常に余裕を見ての経営を心掛ける必要があるな、と思ってます。 ■於久田 現在の従業員数は…? ◆宮 田 製造、サービス、営業など全部入れて約20人です。社内外注先が4社あってそこには合わせて14人ほどいます。別会社ですが当社100%の外注先になります。以前当社の本社があったすぐ近くの旧工場にボデー架装専門にやってる会社があって、そのまた近くにワンボックス専門にやってる会社があります。半径50mほどの場所に主要外注先があるんです。 ワンボックス専門工場は4人ほどやってますから、月に20~25台ぐらいが限度です。それ以上の注文をいただくんですが、なかなか応じられないのが現状です。ワンボックスの冷凍車は月に10台はないかな、断熱材を取り付けた保冷車の方が多いと思います。その他、窓をブラインドにする板張りとかもそこでやってます。 その他、ワンボックス用リフトの取り付けを月に5~10台ぐらい扱ってます。ワンボックス架装はそれ以外にも細かい仕事が結構ありますね。 本来、冷凍機屋のやるような仕事ではないかもしれませんが、お陰様でそういう仕事もいただけるのでありがたいと思ってます。そういう仕事もちゃんとしてればその流れで冷凍車の仕事も来るだろうと考えてやってます。 ニッチな仕事は、いつどこから声がかかるかわからないので、いろいろな技術とその対応力を持っていなければなりません。例えば、2コンプだって、当社でブラケットを作って取り付けているわけだし、そういうものをこれからも継続して行かないとならないと思ってます。 ■於久田 最後に社長の趣味は何ですか? ◆宮 田 スポーツかな。ゴルフは最近やらなくなってますが、日曜日はテニスを2時間、土曜日には体育館でソフトバレーボールを2時間、これが毎週欠かさない趣味です。この年になるとテニスは結構ハードだけど、60才過ぎても常に身体を動かしてないとね。 ■於久田 本日は多忙極まりないところ時間を割いていただきありがとうございました。他でできない仕事をその技術力で対応するエンジニアリング企業、今回の取材で東光冷熱を再認識しました。

    東光冷熱の本社工場。冷凍機だけでなくボデー架装も担当しているため現在フル稼働中となっている...ザ・トラック

    東光冷熱の本社工場。冷凍機だけでなくボデー架装も担当しているため現在フル稼働中となっている

    すぐ近くにあるボデー架装専門会社。この工場は以前東光冷熱の本社工場だった...ザ・トラック

    すぐ近くにあるボデー架装専門会社。この工場は以前東光冷熱の本社工場だった

    冷凍機取り付けも含めたワンボックス改造のすべてをワンストップで対応している...ザ・トラック

    冷凍機取り付けも含めたワンボックス改造のすべてをワンストップで対応している

    ワンボックス専門に扱う会社の工場も東光冷熱のすぐ近くにある...ザ・トラック

    ワンボックス専門に扱う会社の工場も東光冷熱のすぐ近くにある

    訪問企業データ

    ○会社名:株式会社東光冷熱エンジニアリング ○本社所在地:〒243-0206 神奈川県厚木市下川入832-4 TEL:046ー245ー1734 FAX:046ー245ー0783 URL:http://www.coldstar.co.jp/ 営業品目:コールドスター輸送用冷凍機の設計製作販売(トラック、トレーラー、コンテナ用)、移動販売車ボデー架装、ワンボックス・特殊車体架装、移動販売用冷蔵冷凍装置、バス・特殊車用(検診車、実験動物、馬匹輸送車等)空調装置、理化学機器用クーラー&ヒーター・空気清浄装置、給食カート用冷温蔵機、アルミ・FRP冷凍冷蔵ボデー架装

    東光冷熱エンジニアリング製品写真グラフ

    移動販売車(軽トラック)(左) 移動販売車“ひまわり号”(2トン車)(右)...ザ・トラック

    移動販売車(軽トラック)(左) 移動販売車“ひまわり号”(2トン車)(右)

    中売りタイプの移動販売車(2トン車)(左) 大手スーパー向け移動販売車(4トン車) (右)...ザ・トラック

    中売りタイプの移動販売車(2トン車)(左) 大手スーパー向け移動販売車(4トン車) (右)

    2トン車ベースの移動調理加工販売車(左) 実験動物運搬車用空調装置(右)...ザ・トラック

    2トン車ベースの移動調理加工販売車(左) 実験動物運搬車用空調装置(右)

    ダブルキャブタイプの美術品運搬車用空調装置(左) 4トン車ベースの移動調理加工販売車(右)...ザ・トラック

    ダブルキャブタイプの美術品運搬車用空調装置(左) 4トン車ベースの移動調理加工販売車(右)

    2トントラック用冷凍装置(左) 4トントラック用冷凍装置(右)...ザ・トラック

    2トントラック用冷凍装置(左) 4トントラック用冷凍装置(右)

    美術品運搬車用空調装置(左) 野良犬運搬車用空調装置(右)...ザ・トラック

    美術品運搬車用空調装置(左) 野良犬運搬車用空調装置(右)

    馬匹運搬車用空調装置(左) 空港コンテナ用空調装置(右)...ザ・トラック

    馬匹運搬車用空調装置(左) 空港コンテナ用空調装置(右)

    三菱ふそう…新型小型トラック「キャンター」2016年モデル登場

    2016年モデル…三菱ふそう

    国内トップレベルの省燃費を実現

    三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、省燃費性能を高め、インテリアデザインなどを改良した新型小型トラック「キャンター」2016年モデルを、2016年4月26日より全国の三菱ふそう販売会社及び三菱ふそう地域販売部門から発売した。 2010年にデビューした「キャンター」初のモデルチェンジとなる2016年モデルは、国内トップレベルの燃費性能の実現と、ドライバーの快適性向上というユーザーからの強い要望に応え開発したもの。燃費性能はランニングコストに直結し、運送事業の経営に大きく影響を与えるため、エンジンのリファインを実施し、国内トップレベルの省燃費を追求した。また、プロドライバーは待機時間を含めた長時間を運転席で過ごすため、室内をブラックとシルバーを基調とした色調とし、落ち着きのある快適な居住環境へと一新した。 MFTBC副社長の三輪為夫セールスジャパン本部長は、「この新型キャンターは、ハイグレードなインテリア、疲れにくく快適性を高めた新型シートなど、居心地の良い居住空間を実現しました。このキャンターに乗りたい、乗ることでステイタスを得られる、そう感じていただける商品に仕上がったと自負しています。他方、事業者様にとって重要な燃費の面においても、クラストップの低燃費を実現し、燃料コスト削減に貢献できる自信作です。三菱ふそうは、お客様が弊社製品を所有すること、乗ることに誇りを持てると同時に、省燃費技術による生涯保有コストを低減できる商品を、今後も開発・提供して参ります」と述べている。 なお、東京地区販売価格は、車型TRG-FEA50、4P10(T4)110KW(150PS)エンジン搭載、6速DUONIC2.0トランスミッションのアイドリングストップ&スタート付きキャブ付きシャシー、ヒルスタートアシスト機能付きで4,299.48千円(消費税含む)となっている。

    省燃費性能とインテリアデザインを改良した新型小型トラック「キャンター」2016年モデル...ザ・トラック

    省燃費性能とインテリアデザインを改良した新型小型トラック「キャンター」2016年モデル

    商品特長

    (1)国内トップレベルの省燃費を実現(小型ディーゼルトラック) 新型「キャンター」は、省燃費性能に定評のある4P10型エンジンのポテンシャルをさらに引き出すため、エンジンのみならず車両トータルとしてのチューニングを施し、燃費効率を向上させ、国内トップレベル(国土交通省審査値・重量車モード燃費値)の省燃費を実現。 ISS(アイドリングストップ&スタート)付き車のほとんどで、平成27年度重量車燃費基準+10%を達成(エンジン出力129kW、最大積載量3.5t超~7.5t以下の車両を除く)。その他、車両も全車で平成27年度重量車燃費基準+5%を達成させている。これにより、自動車重量税と自動車取得税が、それぞれ減税となる。ちなみに減税実施時期は、自動車取得税が平成29年3月31日までの登録車、自動車重量税が平成29年4月30日までの登録車となる。 (2)スタイリッシュで機能的なインテリアを採用 室内はブラックとシルバーを基調とする、ラグジュアリーな内装へ一新。ハイグレードな室内はドライバーの疲労を軽減し、運転にゆとりをもたらす。運転席シートにはサイドサポートを採用し、ホールド性を向上するとともに、座面クッションを拡大し、疲れにくく快適な運転環境を提供している。 (3)室内収納スペースを拡大し居住性を向上 オーバーヘッドシェルフやフロアコンソール、センタートレイ&マガジンラックなど、従来はCUSTOM仕様に装備されていた収納を標準装備とした。収納スペースが拡大し、室内の作業性を向上させ、使い勝手の良い居住空間を実現。 (4)ヒルスタートアシスト機能を搭載(DUONIC2.0搭載車) DUONIC2.0搭載車には、坂道発進時のずり下がりを抑える「ヒルスタートアシスト機能」を標準搭載。ブレーキペダルから足を離しアクセルペダルを踏むまでの間、一時的にブレーキ力を保持する。 (5)デュアルクラッチ式AMT(Automated Manual Transmission)「DUONIC2.0」 2015年9月よりDUONIC2.0にバージョンアップ。デュアルクラッチの改良などを行い、信頼性・快適性・操作性を向上させさせた。シフトショックを大幅に低減し、スムーズな走りを追求。 DUONIC2.0は、2つのクラッチを瞬時に切り替えることで動力の伝達効率を最大限に高め、優れた省燃費と乗用車感覚の走りを実現する。 (6)CUSTOM仕様の外装をさらにグレードアップ 新たにメッキコーナーパネルとフォグランプをCUSTOM仕様に追加。 (7)フロントグリルにエコブルーをデザイン FUSOトラックのアイデンティティー統一を図るため、フロントグリルにエコイメージのブルーラインを配した。

    燃費性能を追求した総排気量2,998㏄の4P10型エンジン(直4インタークーラーターボ)...ザ・トラック

    燃費性能を追求した総排気量2,998㏄の4P10型エンジン(直4インタークーラーターボ)

    スタイリッシュで機能的なインテリアを採用...ザ・トラック

    スタイリッシュで機能的なインテリアを採用

    エコイメージを強調するフロントグリルのブルーライン...ザ・トラック

    エコイメージを強調するフロントグリルのブルーライン

    ホールド性を向上させたサイドサポートを採用の運転席シート...ザ・トラック

    ホールド性を向上させたサイドサポートを採用の運転席シート

    タダノ…「GRー1450EX」を日本市場向けに新発売

    ラフテレーンクレーン…タダノ

    世界最大級ラフテレーンクレーン

    ㈱タダノは、このたび世界最大級の145t吊りラフテレーンクレーン(Rough Terrain Crane)「GR-1450EX」を日本市場向けに新発売した。 この「GR-1450EX」は、海外の資源開発等の大型プラント建設や、メンテナンスに必要な移動式クレーンの大型化・長尺化と共に、狭所への進入性に優れた大型クレーンの要望に応えるものとして、2013年8月に世界最大級のラフテレーンクレーンとして海外市場向けに発売されたもの。国内では、公道を走行する車両としての条件を満たしていないため車両登録及び公道走行はできないが、港湾やプラント構内で使用される大型移動式クレーンのニーズがあることから今回日本市場でも発売するもの。 なお、標準仕様の価格は1億6,500万円(税別)、販売見込台数は年間10台としている。

    タダノが誇る世界最大級の145t吊りラフテレーンクレーン「GR-1450EX」...ザ・トラック

    タダノが誇る世界最大級の145t吊りラフテレーンクレーン「GR-1450EX」

    「GR-1450EX」の主な特長

    (1)世界最大級のラフテレーンクレーン 日本市場向け同社ラフテレーンクレーンの最大吊上げ能力は70tだが、これを大幅に上回る、世界最大級145t吊りのラフテレーンクレーンを日本市場に投入。 同機は、ラフテレーンクレーンで初の「シングル伸縮シリンダ機構」を採用。ブームはこのクラス最長の61.0mの高強度ラウンドブームで、さらに油圧でジブのチルト角が自在に操作可能な2段バイフォールドパワーチルトジブ装着時には、最大地上揚程78.2mを実現。 なお、「シングル伸縮シリンダ機構」は、内蔵された1本の油圧シリンダがブーム内でスライドし、各段をブーム固定ピンで連結しながら、順次送り出していく伸縮システム。 (2)3軸キャリヤ採用による狭所進入性の向上 ラフテレーンクレーンならではの小回り性を活かすコンパクトな3軸キャリヤは、狭所への進入性や機動性に優れる。また、カウンタウエイト装着状態での構内移動も実現。 (3)分解搬送システムの採用 カウンタウエイトや、アウトリガの自力着脱可能な、分解搬送システムを実現。 (4)キャブチルト機構搭載 クレーン作業時にキャブ(運転席)を最大15度傾けられるキャブチルト機構を、ラフテレーンクレーンで初採用。高揚程作業における視認性や作業性を大幅に向上。 (5)環境への配慮 「燃料消費モニタ(クレーンの作業時や走行時の燃料消費情報を常時表示)」や「エコ・モード(エンジン最高回転数の制限により燃料消費量を削減する機能)」、ならびに「ポジティブ・コントロール(油圧ポンプの吐出量制御により燃料消費量を削減)」といった、環境に配慮した機能を搭載。また、ディーゼル特殊自動車2014年排出ガス規制にも適合している。 (6)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO‐NET」を装備 携帯通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、GPSによる位置情報確認、さらに保守管理のための情報をウェブサイトでサポート。使用されている製品の情報をユーザーと共有し、一歩進んだサポート・サービスを提供。

    タダノが誇る世界最大級の145t吊りラフテレーンクレーン「GR-1450EX」...ザ・トラック

    タダノが誇る世界最大級の145t吊りラフテレーンクレーン「GR-1450EX」

    「GR-1450EX」の主要諸元

    ①クレーン諸元…◇最大クレーン容量:145t×2.5m、◇最大地上揚程:ブーム60.0m・ジブ78.2m、◇最大作業半径:ブーム54.0m・ジブ60.3m、◇ブーム長さ:13.1m~61.0m、◇ジブ長さ:10.3m、18.0m。 ②キャリヤ諸元…◇エンジン名称:カミンズ(QSB6.7+SCRTier4F)、◇エンジン最大出力:201kW{270PS}/2,000min-1{rpm}、◇エンジン最大トルク:990N・m{101kgf・m}/1,500min-1{rpm}、◇全長:16,190㎜、◇全幅:3,315㎜、◇全高:3,785㎜、◇車両総重量:91,200㎏。

    加藤製作所…新型50t吊りラフテレーンクレーン新発売

    新型ラフテレーン…加藤製作所

    ディーゼル排出ガス規制適合エンジン搭載

    ㈱加藤製作所は、新型50t吊りラフター「SL-500Rf PREMIUM」を2016年7月より全国一斉に発売する。 新発売のSL-500Rf PREMIUMは、平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジンと5段スーパーブームを搭載した安全と環境に優しいラフテレーンクレーンである。価格は7,700万円(税別)で、目標販売台数は年間300台となっている。

    KATOの新型50t吊りラフター「SL-500Rf PREMIUM」...ザ・トラック

    KATOの新型50t吊りラフター「SL-500Rf PREMIUM」

    「SL-500Rf PREMIUM」主な特長

    ◇車幅2.75m…クラス最小幅を実現し、道路走行時の負担を軽減。 ◇5段高剛性スーパーブーム…ブーム最長40mで作業領域を拡大。前方領域最大作業半径は37m。《ブーム吊上げ能力》最大吊上げ能力50t×3.0m、ブーム長さ10.1m~40m、最大地上揚程41.1m、ブーム起伏角度0°~84°。 ◇E-JIBSL仕様…①ジブ装着格納作業の容易化:ジブ装着格納時の運転席からの乗降回数は各々2回のみで運転者の負担を軽減しジブ振出の所要時間も短縮、②ジブ装着格納の省スペース化:ブーム最縮小時の前方スペースでジブの装着格納が可能。《ジブ吊上げ能力》最大吊上げ能力4.2t×75°、ジブ長さ9.4m~13.7m、最大地上揚程54.8m、ジブオフセット5°~60°。 ◇環境にやさしい平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジン搭載…①低騒音型建設機械の指定を取得、②最大出力:254kW/2000min-1、③最大トルク:1400N・m/1200-1600min-1。 ◇ICカードシステム「KIC・S」…①盗難防止機能:エンジン始動にはICカードによる認証が必要、②クレーンデータ管理:クレーン作業データや車両の走行データをICカードに記録保管しパソコンに入力することが可能(パソコン用カードリーダとデータ管理用ソフトウエアはオプション)、③車両状態管理:車両の走行データや各部の稼働時間など作業履歴を管理出来るため点検整備に活用可能。 ◇タッチパネル式CORインフォメーションディスプレイ…①クレーン作業時や走行時の燃料消費量をリアルタイムで表示することにより省エネ運転を手助け、②「ecoスイッチ」搭載によりクレーン作業中のエンジン最高回転数を制限し燃費削減と騒音を低減。 ◇クレーン作業時の省エネ化機能「オートミニマムコントロール」…アイドリング待機時には油圧の流れを最小限に制御する「オートミニマムコントロール」が作動し燃料消費量を制御。 ◇キャブ内居住性の向上…①新規ファブリック採用サスペンション付シート、②任意位置固定式新型サンシェイド採用、③視界向上大型天井ガラス&大型ループワイパー採用。 ◇液晶クラスターメーター…車両情報のメッセージを表示する視認性の良い液晶カラーディスプレイ採用。 ◇電子式水準器(新規採用)…機体水平補助機能により機体の水平設置作業を容易化。 ◇キャブ内空調システム…新型エアコン採用し、エンジン停止時に暖房できる燃焼式エアヒータをオプション設定。 ◇LED式灯火器採用…①高輝度のLED作業灯および室内灯を標準装備、②LED式新型ACS外部表示装置を採用、③LED式新型リヤコンビネーションランプを採用。 ◇多彩なオプション設定…左折&後退音声警報、無線式後方確認カメラ、燃焼式エアヒータ、地上デジタル対応テレビ放送受信装置、風速計、ドアバイザ、ブームミラー、路肩灯、サイドマーカーランプ、電動格納サイドミラーヒータ装置。

    三菱ふそう…「ローザ」がベトナムの小型バス市場に初参入

    小型バス…三菱ふそう

    FUSO初の小型バス現地生産を開始

    三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は小型バス「ローザ」をベトナム市場に初投入し、小型バスの現地での様々なニーズに対応。また、現地顧客に車両を迅速に納入するため、ベトナム・ホーチミン市郊外にある専用工場で「ローザ」初の現地生産を開始した。経済成長著しいベトナム市場で、小型バスから大型トラックまで幅広いラインアップを提供し、市場プレゼンスを高めるとしている。

    成長市場であるベトナム小型バス市場の様々なニーズに対応

    ベトナムは2015~2017年の4年間の実質平均予測GDP成長率が約6.8%と、2010~2014年実績と比べて約1%増加しており、東南アジアの中でもフィリピンと並び最も高い成長率を示している。 こうした状況の中、学校・幼稚園、ホテルやオフィス・工場、また、旅行者増に伴う観光地などへの送迎のための小型バスの需要が急速に高まりつつある。FUSOは今回、こうした様々なニーズに対応するため4車型を投入。顧客の用途に応じ様々な配列が可能なシートや、バス専用に設計されたシャシーなど、ベトナムの小型バス市場ではこれまでなかったタイプの車両を「ローザ」により実現させている。さらに、新興国市場での耐久性を保証するため、ベトナム全土で2万㎞にわたる走行試験を実施している。

    「ローザ」初の現地生産を開始現地顧客に

    商品を迅速に納入するため、ベトナム・ホーチミン郊外にある専用工場で「ローザ」初の現地生産を開始した。MFTBCの川崎工場から基幹部品を輸出し、サイゴン交通運輸機械総公社(SAMCO)でノックダウン生産を実施している。同工場は2015年3月に完成、約4万㎡の敷地を有し、年間生産能力は約1000台となっている。

    高品質な製品・サービスの提供により、顧客から高い期待

    販売は親会社であるダイムラー社の100%子会社メルセデス・ベンツ・ベトナム社(MBV)を通して行ない、約1000台の年間販売台数を目指す。また、全国17ヵ所にある販売・整備拠点で高品質なサービスを提供することになっている。 MFTBC取締役副社長兼セールス・カスタマーサービス本部長のミヒャエル・カンパー氏は、「ローザは1960年の生産開始以来、品質の高さから海外でも高い評価を得ています。今回、初の現地生産を開始することにより、現地のお客様へ製品を迅速に提供できるとともに、日本の高い生産技術とサービスの提供を通して、ベトナムの自動車産業に貢献していきます」と述べている。 2016年5月11日にホーチミン市郊外で開催された「ローザ」の発表イベントでMBV社長・CEOのミヒャエル・ベーレンス氏は、「ベトナムのお客様に安全性、快適性、経済性、機能性を備えた日本製の小型バスを導入することを嬉しく思います。すでに100台の大口受注を獲得するなど、お客様の期待の高さが伺えます」と語った。

    世界で活躍する「ローザ」

    小型バス「ローザ」は1960年の日本国内での発売以来、主に送迎、幼稚園バス、福祉車両、キャンピングカーなどで使われている。現在、国内外含めFUSOのバスラインアップで最も販売されているモデルで、世界約40ヵ国に輸出されており、累計生産台数は1997年に10万台、2015年には20万台を達成させている。

    ベトナムにおけるFUSOブランド

    FUSOは東南アジアでも特に成長著しいベトナムを戦略市場と位置付け、同国での事業を強化すべく、2014年7月よりMBVを通じて小・中・大型トラックの現地組み立て及び販売を行っている。また、小型のみだった製品ラインアップを2014年からは中・大型まで拡大、2015年は大型トラックの新モデルを導入し、小型から大型まで幅広い選択肢を提供している。 2015年の販売台数は前年比で約30%増加しており、今回、小型バスがラインアップに追加されることで、顧客基盤をさらに強化し、シェア拡大が見込まれている。

    FUSOの小型バス「ローザ」...ザ・トラック

    FUSOの小型バス「ローザ」

    ベトナムでの「ローザ」発表イベント...ザ・トラック

    ベトナムでの「ローザ」発表イベント

    新たに車体の開発部門を設置して外販を強化自動車整備は女性を基軸に作業現場を見直し

    わが国トラック輸送の最大手である佐川急便を傘下にもつSGホールディグス(SGH)グループが使用するトラック車体を一手に手がけるSGモータース株式会社の社長にこのほど、いすゞ自動車出身の石部久康氏が就任した。石部新社長は昭和53年にいすゞ自動車に入社、製造だけでなくディーラーや保険会社経営から商社への出向まで幅広い経験をお持ちで、2年前にSGモータースに移籍されている。SGモータースは車体製作と自動車整備が事業の主な柱となっているが、約10数年前にはいすゞ自動車のディーラー権を得て佐川急便へのトラック販売も行っている。最大手ユーザーへのトラック販売から車体製作、整備まで一手に手がけるSGモータースは極めて恵まれた存在であるが、石部新社長はSGHグループ以外への事業拡大(外販)を本格化させようとしている。とくに新たに設置した開発部門は、品質保証も含めトラックメーカーと同様の視点で車体開発に取り組むもので、車体産業の位置づけが大きく変わる可能性を秘めている。少子高齢化で人手不足も年々深刻になっているが、女性労働力の活用を目的にあらゆる現場の見直しにも着手している。石部新社長の熱い思いを伺った。

    わが国の先進物流システムの国際標準化国土交通省、主導的役割を宣言

    わが国の先進的な物流システムを標準化し規格化して海外に広めようとする官民の動きが動き出した。モノの標準化・規格化はJIS規格などで馴染んでいるが、コトの標準化・規格化については従来、代表的なISO規格を専ら輸入導入する一方であった。今回の動きを皮切りとしてコトの規格化・標準化は進むだろうか?